「りんかねーしょん新選組☆新選組っ!」とは
クソゲー・オブ・ザ・イヤーinエロゲ板。
毎年、住人が奇作珍作を発掘しては文学者顔負けの皮肉とセンスに満ちた評価を出す場である。
斯く言う私も、住人としてスレを眺めつつ1年の魔が潜む年末を楽しみにしている。
時は2009年。
前作の(特にベンチマークの)評価の高さがアダとなり改悪続きで華麗な失墜を遂げた「タイムリープぱらだいす」。
作画的な問題でご覧の生首だよ、の名台詞を爆誕させた上に後日対応で外道を魅せた「ひしょ×ひしょ」。
内容の未完成さと投げっぱなしジャーマンの如く回収しない伏線のみゲームのままスレに舞い降りた「MQ ~時空の覇者~」。
これら数ある強豪を差し置き、大賞に輝いてしまった作品がある。
りぷる「りんかーねーしょん☆新選組っ!」

曰く「ニュータイプ育成用ゲーム」。曰く「ヒエログリフを読み解いてるよう」。曰く「エスパーしか楽しめない」。
大賞入選総評でも
「難解かつ説明不足な超展開シナリオの一点のみで他の作品群と渡り合ったりんかねのストロングスタイルは一種の爽やかさすら感じる」
と住人が謎の満場一致で絶賛するほどの内容であるとのこと。
なんでこうなったの
「設定は実に面白そうだし、どこまで理解できるのかやってみよう」
演出も脈絡もなく挿入される主人公のフラッシュバック。
突然出てくる補足されない謎設定。
ライターの本気と言わんばかりのミスリーディングを誘う全体的なテキスト。
あっという間にこのゲームに引き込まれ、すっかりkozakana先生(ライター)のファンとなり。
4日後。
「……クッソ難解だけど、面白かった……ちょっとフローチャート作るか……」
2週間後。
「こんなん作ったんですけど掲載してもいいですかね」
WEB担当さん「……ライターより遥かにまとまってると思います」
そんなわけで、公式から許可もお墨付きもいただけたので、フローチャートを掲載させていただきます。
尚、本フローチャート等は公式の方で許可をいただいてアイコン等を使わせていただいております。
無断転載等は固くお断りしております。
ストーリー内での時間的な流れとしては、
「前世」
↓
「現代分岐前」
↓
「弓枝ルート・時音ルート・ミシュリーヌルート」
↓
「REGENERATION編」
↓
「REINCARNATION編」
となっております。概ね上から順に見ていただけると流れとして理解できると思います。
本フローチャートはあくまで作者の理解の話です。
公式からは掲載許可をいただいただけなので、内容が完全に正しいとは限りません。悪しからず。
画像はかなりデカいので、タップして拡大して読んでください。
前世 (りんかね/ゼロ)

前世は全ストーリーを通して、ちりぢりに配置されている情報をまとめてあります。
前世・現代・未来(別ルートで至った話)なのかが混在していてわかりにくい、というのがこのゲーム最大の欠点です。
(ただ、記憶が混濁している主人公視点で見れば、本当に記憶が混在していてわからない、という主観になれることを狙っていた可能性があり、そういう意味では正しい演出だったのかもしれません)
現代編 (ルート分岐前)

弓枝ルート

時音ルート

ミシュリーヌルート

REGENERATION 編 (グランドエンドへのプロローグ)

学生カレンマジで好きだったのでファンディスク今でも待ってます!!!
REINCARNATION編 (グランドエンド)

私的総評
「面白い……はずなんだ……はずなんだよ……!!でもわかんねえんだよ!!!」
私がこのゲームを手に取るきっかけとなったのは、友人のモヤシ氏の言葉が最初となりました。
なんだよ面白いって言っといて内容聞いたら理解不能って……。みたいな。
面白いって言われた物に対して過剰な拒絶反応する天邪鬼の私は見事に食いつきました。
というわけで私が本作をプレイして、個人としての感想やら思ったことです。
確かに噂通り、難読箇所が尋常じゃなく多い作品でした。
とにかく時間軸の入れ替わりやら何やらが激しい中で、人物の入れ替わりも入るルートでは重複し本当のカオスに。
特にミシュリーヌルートとREINCARNATION編の難解さは随一でした。
しかし、物語としての面白さも間違いなく上記の2ルートがトップクラスだと思います。
REINCARNATION編では全時間軸の娘が来る場面では、全娘の立ち絵が描き下ろしされていたりと熱い演出も。
イラストレーターさんの愛すら感じました。kozakana先生の放つ黒いオーラを背に。
絵柄は私個人としては好みなのですが、内容はけっこう重いのでギャップがある気もします。
ティッシュ握ってステンバーイしてる人視点で見れば間違いなくクソゲーです。
中身理解してる内に股ぐらの血液が脳みそに流れ込むこと間違いなしです。子種の節約になりますね。
200行近いメモを取りつつ、逐次バックして流れを補足することがコツってノベルゲームとしても如何なものかと。
設定そのものは比較的王道と言えるもので、決して悪くはないと思います。
やはりライターのkozakana先生の文体が成せる世界観ではないのかなあと。
このゲームですっかりkozakana先生のファンになってしまいました。次回作を強く期待しております。
ゲーム自体はほとんどバグはありません。クソゲーオブザイヤーinエロゲ板的には。
ちょっとCGモードが埋まらなかったり、たまにフリーズするぐらい微々たるものです。
音楽はクラッシックのアレンジが中心でどこかで聞いたことある感がすごいです。
嫌いじゃないですけど、そこまで印象に残るほどでもない感じでした。
OPは榊原ゆいさんで割と好みな感じでした。由緒正しいエロゲ王道曲っぽい感じ。
肝心のエロは抜きゲーではないとしても、少ないような気はします。
いや、数字的には少なくない気がするので、物語のボリュームが凄くて負けてると言うべきか。
子供の頃のカレン凄い可愛いのにルートがなかったのは壁ドンものでした。なんでや……。
要素要素で見れば決して悪くないゲームではあります。
もしこのページが、少しでも興味を持っていただけた方がゲームを手にするきっかけとなれば。
それでkozakana先生のシナリオのお仕事が増えればいいなあと割とマジに思ってます。
これまで、ラストリベリオンなど幾つかクソゲーと呼ばれるゲームを手にして来ました。
しかし、この新しい感覚。この高揚感。ゲームを攻略している4日間は毎日が輝いて感じました。
実に充実した日々を与えてくれたりぷるスタッフの皆様にありがとう、と総評の締めに添えておきたいと思います。
次回作に期待って言ったけど、りぷる新作(当時)kozakana先生じゃなさげでちょっとがっかりしたのは秘密
本フローチャート作成でお世話になったところ
りんかねーしょん☆新選組っ! 公式サイト

りぷる(メーカー) 公式サイト

内容整理の参考にさせていただいたサイト
伝統攻撃 RmG氏
全ての元凶
モヤシ 氏(大学の同期)
クソゲーオブザイヤー in エロゲ板 (2009年度 大賞受賞ページ)